収まりきらないのだけれど、
あえて収めなければならない。
彼は、一際ぶっきらぼうに構えていた。
僕はそんな彼のことを「絡みにくそうなやつだな」なんて考えた。
きっと彼のことだから、僕のこともそう思っていたにちがいない。
4年後、僕にとって彼は相棒となった。
最高の味方でありながら、最強の好敵手となった。
彼女は、きれいな目でかろやかに微笑んだ。
僕はそんな彼女を、「おっとりかわいい子」なんて見ていた。
きっと彼女のことだから、僕のことを楽しそうなやつくらいに考えたのだろう。
4年後、僕にとって彼女は知己となった。
あこがれも愛しさも、鬱さえも分かり合う相手となった。
彼女は、すました顔で飛び入りしてきた。
僕はそんな彼女に「ようこそ」だとか語った気がする。
きっと彼女のことだから、僕のことを様々観察したのじゃないだろうか。
3年後、僕にとって彼女は兄妹分となった。
時にぶつかり支え合い、互いを見守る仲となった。
なんだかなあ。
こんな文章じゃ、収まりきらない。
出会いの初々しさも、
外で囲んだ重苦しい雰囲気も、
浴衣にひたすらはしゃぐ声も。
それでも、今。
収まりきらない思い出を収めることが、
収めたくないのに収めることが、
どんなにどんなに、
寂しいか。