参加メンバー:
小口翼 下原もか なかにしゆう M.Y(匿名希望) 田中紅葉(進行)自粛中の四月某日、新2年生になる部員たちに、劇団なきがおのこと、演劇のことなどを色々聞いてみました!
新入生の皆さんに少しでもなきがおの魅力が伝わりますように。
紅葉:みなさんこんにちは!ではさっそくですが、対談始めていきたいと思います。
Q.みんなの劇団なきがおに入ったきっかけや動機を教えてください! M:私は結構長い間演劇をやっていたんですけど、大学で演劇は最後にしようと思ったんですね。で、最後はどの劇団でやろっかなって学芸の演劇団体を調べたんですけど、そこで見つけたなきがおくん(※1)が可愛かったので「あ、ここにしよ」と思って入りました。
もか:まさかのキャラクターが決定打っていう。
紅葉:なきがおくんの顔偉大なやつ…。
ゆう:可愛いけどね。
M:それで、稽古場見学行ってみたんですけど、そこでまぁ先輩に失礼なこと言っちゃいまして。
これはもういよいよ入らないとなーと思って、その日のうちに入りました。
もか:Mちゃん私たちの代で一番入サー早かったもんね。
M:マーライオン言っちゃったから。これ言って去るってちょっとなぁって…。
ゆう:マーライオンの伝説(※2)はそこで生まれたんだね。
紅葉:これ結構言ってるけど、ほんとに最初先輩だと思ってたMさんのこと。
もか:激しく同意。
M:反省はしてます。すみませんでした。
もか:私も稽古場見学行って、新歓公演の台本覚えてるしこの方何年生なのかな…って思ってた。
紅葉:もう覚えてたの!?
もか:なんか演出してたよね??すでに?先輩がMちゃんに振ってた気がする。
M:あー振られた。びびった(笑)
もか:もうその時点でただ者じゃなかった。
M:いやいやいや、ただ者じゃないと言ったらあなたもでしょ、もかさん。
もか:こんにちは凡人です。
紅葉:超人もかさんです。
M:もかさんはなんで入ったの?
もか:私は高校の時から演劇やりたいと思ってたんですけど、合唱部をやってたので兼部できなくて。それで大学こそは演劇始めようと思って、色々検討したんですけど。誤解を恐れず言うなら、消去法でなきがおを選びました。
紅葉:雰囲気が合ってたみたいな?
もか:今思えばそうなのかな…でも演劇団体ってどこも変な人しかいないじゃないですか。
ゆう:それね。
もか:雰囲気合う合わないで言ったら、演劇やってる方達の雰囲気が当時の私には未知すぎて分からなかった。
小口:たしかになきがおの皆さんは初心者にもしっかり合わせてくれるし、教えてくれる。優しいなあ。
紅葉:めっちゃ分かります。じゃあゆうちゃんは?
ゆう:私が入ったのはめちゃくちゃ遅くて、小金井祭直後とかだったんですけど。新歓公演の時からめちゃくちゃに憧れている先輩がいて、客演という形でその先輩と
小金井祭で共演させてもらったのが一応きっかけです。でもほぼその場のノリです。
M:あの人ですね。
ゆう:あの人です。でもなきがおに入れてくださったのは、PCテイクでご一緒してるりなさん(当劇団新3年生)の方なので。小金井祭の演出してくれて、打ち上げのときに「入る?」って。
紅葉:ゆうちゃんももう、小金井祭前からほぼなきがお団員だったよね。
ゆう:そうですね、顔は出してた。でもあの時声をかけてくださったから今私はなきがおにいます。
もか:私、小金井祭も冬公も関係者外だったから、知らないうちに仲間が増えててびっくりしたし、嬉しかった。
ゆう:そう言ってもらえると嬉しい!みんなにあっさり受け入れてもらえてこちらはホッとしました。
紅葉:ようこそーって感じだったよ~。
もか:小口さん然り!
ゆう:じゃあイケメンにバトンタッチで。
紅葉:小口さんも小金井祭辺りから来てくれましたよね?
小口:そうだね。小金井祭の稽古が始まるか始まらないかくらいの時からお世話になってます。もともと演劇の世界に入ろうとは全く考えていなかったんですが、夏頃に舞台俳優の友人に「演劇っていう世界も無くはないよ」と言われ。Twitterで「東京 大学生 劇団」と調べて、スクロールして、えいっと指でタッチしたのがなきがおでした。
M:選び方草。運命の出会いですね。
ゆう:みんな割と運ゲーですね。
小口:そうだね、急に他大の者が来たら、きっと馴染めないかな…と思っていたのですが、皆さんとても暖かく迎え入れてくれて。冬には客演で役もいただけて。もっと演劇の世界を知りたいなと思い、入団させてください、とお願いしました。
M:スクロールの神ありがとう。
小口:あと0.1秒ずれてたら、きっと全然違うところでお世話になっていたのかも…。
紅葉:迷ったらスクロールですね。
小口:でも本当になきがおでよかった。皆凄く優しいから。
ゆう:私が気付いたときには最初からいましたよみたいな感じで馴染んでらっしゃいましたけどね。溶け込むの早かったですよ。
もか:小口さんを知ってから、私が見えてなかっただけで最初からいたのかな…と夜しか眠れない日々が続きました。
小口:(爆笑)
紅葉:安心して昼も眠ってね。
もか:永眠すればいいですか?
小口:(爆笑)
紅葉:適度に活動してください!!(焦)
でもいつの間にか
冬公演にも出ていただいて。
もか:初役者とは思えない堂々たる演技でしたよね。
小口:冬公演の稽古場のおかげかな…みんなもたくさん話しかけてくれて。
ゆう:そっか、あれが初役者…信じられない。
M:あれが初めての人がやる本か?
小口:(稽古場で)ピロシキの台本使って、先輩方が、僕の為に時間割いて稽古してくれたんです。
ゆう:ピロシキ!?あ、取り乱しました、失礼しました。
もか:ピロシキ…?美味しいやつですか?
ゆう:私の知ってるピロシキは二人芝居。
小口:「腎臓がピロシキになっていて治せない」という、医者と患者の二人芝居です。
ゆう:あ、合ってました。
小口:本気で苦しむ、とか本気で困る、とかの演技指導でした。
もか:へぇ!その演技指導受けたい!(笑) それが入サーの決定打にもなったんですか?
小口:そうです。演劇の初心者で、しかも急に現れてしまったのに、こんなに丁寧にご指導いただけるなんて…と。とても優しかったです。
ゆう:普段ふざけ倒してる先輩たちのまじめな一面が見れました。
もか:こんなに初心者と経験者が上手く共存できることが凄いですよね。
M:初心者の上達がすごくて経験者なんて追い抜かれちゃうから。
ゆう:わりとなきがおは学年の垣根とかもないなあとは思います。
紅葉:そうだね、楽しくて、やるときは説明わかりやすい。
小口:先輩方のおかげか、稽古場がとっても楽しいですよね。それも暖かい楽しさですね!
紅葉:なるほど。小口さんは友人の方からのオススメがあったみたいですが…
Q.皆さんは演劇自体を始めるきっかけとかありましたか? M:ああ、私はね、小学生の頃自己肯定感が驚く程に低くて。うちの住んでた市の小学校総合文化祭があるんですけどその演劇部門にうちの学校が出て、そのとき自己肯定感の低さから先生に勧められて、主役やったのがきっかけです。
ゆう:初舞台で主役…!カッコいい!
M:めっちゃ緊張した。その舞台終わって、カーテンコールした時、お客さんの満足気な顔がすごく印象に残って。いいなって思って続けることにしました。
小口:とてもいい話!
M:うわなんか恥ずかしい。
ゆう:漫画の1話みたい。
もか:ここまで続けられていることもすごい。素質だよね。
ゆう:エンターテイナーだ。
紅葉:ほんとに!続けるのも大変なことだよね。
M:仲間に恵まれましたね。
紅葉:自己肯定感は上がりましたか?
M:昔と比べたら大分上がった方です。だからこそ舞台に立ててると思う。
ここまで続けてきたからこそ、最後は楽しく終わらせたくて。なきがお選んで良かったなぁと思います。
紅葉:これからも一緒に頑張りましょう。
M:よろしくお願いいたします。皆さんのきっかけは?
もか:私はですね、どの作品とは言わないんですけど田中Kさんの演技を見て衝撃を受けたのがきっかけですね。名前適当に伏せといてください。
小口:田中Kって俳優の?かっこいいよね!
もか:そう!とにかく、自然なんですあの方の演技。
M:じゃあ、もかさんの演技は田中Kさんに影響されてるのかな。究極のナチュラル。
もか:それはすごくある。脇役を十何年もずっとやってきて、人の演技を受ける演技に長けていて。素人ながら感動しました。こんな演技してみたいと思ったのがきっかけですね。
ゆう:すごいね…みんなちゃんと演劇と出会ってる。
紅葉:ゆうちゃんは高校からやってるんだっけ?
ゆう:中高一貫校で、中学から6年間演劇部だった。けど、始めたきっかけは不純も不純なので…。
M:きっかけに純も不純もないですよ。
ゆう:…最初は廃部寸前の部活の存続のための人数合わせで入ったんですけど、宛書きで台本を書いてくれる人がいて。その人に惚れて演劇ガチ勢になりました。部員5人でしたから、最初。
M:大会ギリギリ人数…。
もか:素敵じゃないですか。
小口:なんかそれも運命的だね(笑)
ゆう:今は部員10人くらいいますよ。頑張って成長しました。
紅葉:皆さんお話ありがとうございます。ではあともう一つ…
Q.印象に残っている公演やエピソードを教えてください。 M:私は、小4の時にやった舞台ですね。私忍者の役やったんです。で、幼なじみが敵役やって、2人で戦うシーンを一緒に考えたんですよ。それで最後に私が敵を突き落として「さようなら」って言うんです。
本番でめちゃくちゃ精一杯の嫌味を込めて言ったら、お客さんが大爆笑してくれて。
小口:精一杯の嫌味(笑)
M:初めてお客さんの顔を笑顔にした瞬間だったので、すごく忘れない舞台になりました。
もか:お客さんの反応って物凄く記憶に残りますよね。
ゆう:エンターテイナーの本領発揮だね。
もか:沢山の人の感情を動かせるのはすごいことですよ。
M:他の皆さんは?
もか:私は、
「addiction」の『屋上のエメラルド』ですね。
M:おお、初舞台。
もか:そうそう。去年の7月公演です。
ゆう:あれ初舞台か!
もか:部署の仕事から役者まで何もかも初めてだったので、全てが刺激的でした。
M:もかさん初舞台とは思えないほどの実力だったね。
紅葉:うんうん。あのエメラルドの脚本の主役にピッタリだった。
もか:基本的に自己肯定感ゼロなんですけど、あの初舞台を経て、これは自分に向いてるのかもしれないと自信を持てたのも大きかったです。
小口:もかちゃんの演技、凄いよな…。空気がもかちゃんによって変わることもある感じ。
もか:おお…いくら払えばいいですか??
紅葉:無償の愛だよ…(笑)
小口さんやゆうちゃんはどうですか?
小口:僕は、竹内先輩(当劇団2016年度生)の脚本、
卒公の。
紅葉:まさに温かい涙がメインって感じでしたよね。
もか:なきがおらしさが詰まってた。
小口:本当にそう思ったの。温かい涙。
ゆう:私は配信を見て泣きました。
小口:ほんとに。僕も泣きました。小金井祭の時の竹内先輩の脚本と、ちょっと繋がってたような…とか。
紅葉:去年の透明人間ですか?
(2019年度小金井祭公演『君には見える、透明人間』)小口:そうですそうです。
ゆう:伏線というか、含みを持たせるのがうまいですよね…。
小口:悲しい話でも、楽しい話でも、絶対に優しさが後ろにあるのがなきがおっぽい感じです。
紅葉:たしかに…ゆうちゃんはあったりしますか?
ゆう:うーん、私は公演というよりエピソードなんだけど。
紅葉:お、いいねー。
ゆう:さっきも言った新歓公演を見て、私役者は多分もうやらないなって思ってたんですよ。中高で部活やってたけど、所謂ガチではなかったし、大会とかによく出るとかでも無かったから。大学の演劇ってレベル違うなーって思ったから関わるとしても裏方だろうなって思ってたんだけど。
小口:うんうん。
ゆう:小金井祭でりなさんと縁があってなきがおの公演に誘ってもらったりしたときに、役者を半年ぶりくらいにやって、なんかこう、思った通りにできなくて…自分にムカついたのでこれから真面目に役者をやろうと決意したんです。前までできてたこととか、できなくなってるの悔しくて。
もか:向上心の塊。
紅葉:悔しさとぶつかったのね。
ゆう:うん。めちゃくちゃ悔しかった。なのでこれからは役者やります。
もか:おお!本気でやってるから悔しいんだよね。
ゆう:悔しい!楽しいんだけどね。ガチになると悔しいですね。
紅葉:裏方も演者もどっちもいつでも挑戦できるのが良いよね。
もか:そうなんだよね。支える側支えられる側どちらにもなれるのは、すごく成長できる。
小口:ゆうちゃんの話を聞いてて思ったんだけど、役者をやるって、その人の生き方に成りきるってことなんだな…って。役者をやるって、色々な生き方を知れるなとは思いますね。
ゆう:そうなの、そうなんですよ…!
もか:それがまさに演劇の魅力ですよね。
ゆう:ちゃんと生かしてあげたいなと思う、自分が演るときに。傲慢なんだけどね。
M:面白いですね、色んな人の演劇話は。
もか:みんなバラバラなのに、同じ作品作り上げてるの面白いよね。
紅葉:ほんとに。皆さんありがとうございます!それではこれにて終了させていただきます。お疲れ様でした!
※1 なきがおくん:劇団なきがおの公式キャラクター(?) HPやツイッターのアイコンになってるやつ。
※2 マーライオンの伝説:稽古場見学時、初対面の某先輩が発声をしている姿を見てMさんが「横顔がマーライオンに似てる」と発言した事件のこと。