どうも。
劇団なきがお第23回公演「水の隣に木は二つ」で演出を務めました宮下です。
ご来場いただいた皆様、ご来場いただくことはかなわなくても応援してくださった方々
誠にありがとうございます。
公演を無事に終えることができたのは皆様のおかげです。
さて、パンツの話をしましょう。
皆さまはパンツに興奮したことはありますか?
僕はあります。
子供のころ、戦隊もののパンツを見て興奮しました。
でも、冷静に考えるとそれはパンツに興奮したのではなく、
パンツに描いてあるイラストに興奮したのです。
パンツとはそれ自体ではただの布です。
パンツそのものに興奮する人はあまり多くはないでしょう。
誰かが穿いているパンツだから興奮するのです。
何かがあるパンツだから興奮するのです。
今回の公演で使用した脚本は僕の自作です。
一番最後のシーンは僕にとってのパンツでした。
パンツ単体でも興奮してくれる人はいるでしょう。
しかし、そこに至るまでのパンツ以外の部分は不必要なものではありません。
どれほど無駄なようなシーンでも、僕にとっては最高のパンツ以外の部分でした。
ご来場いただいた方々からも評判が良いような公演となりまして、
ラストシーンというパンツも「良かった」と言ってもらえることが多かったです。
しかし、パンツがよかったのではなく、それ以外の部分がよかったから、よりパンツを評価してもらえたのだと思います。
宣伝美術の力でお客さんがご来場され、
制作の力で心地よい空間としてご案内でき、
役者の力、照明の力、音響の力、舞台美術の力で引き立てられ、
そしてパンツが引きたてられたのです。
世の中、大事なものは多くあります。
しかし、その大事なものが大事である為には、大事じゃないと思われる部分が多くあります。
これからの劇団なきがおもそうだと思います。
どれほど些細なことでもかまいません。
劇団なきがおがパンツであるためには、このブログを見てくださる皆さまのご協力が必要なのです。
公演に関わる必要はありません。毎回見に来る必要はありません。
ただ、ちょっと興味があるなあくらいの気持を少しでも持ってくだされば、劇団なきがおは興奮できるパンツとして成立できるのです。
ですから、これからも劇団なきがおにちょっとだけでも興味を持っていただければ幸いです。
そのちょっとの興味を無駄にしないように、劇団なきがお団員は努力し続けます。
是非とも、よろしくお願いいたします。
宮下直樹
堅苦しいパンツはここら辺にして、前回から恒例演出ポエムを書いときます↓
新聞配達の音、小鳥のさえずり、気怠い朝、真白い画面のPC、進捗なしの卒論、4:17、昨日買ったなわとび、地元の知り合いからのライン、スマホをいじる指、火傷の跡、寒い、布団を被る、少し凹んだ枕、温もりの残ったベッド、ふと思い出す、叫んだ日々、笑った日々、泣きかけた日々、弾ける役者、照らす照明、響く音響、お客さんの漏らす声、冷える外、お菓子を食べる団員、談笑する団員、冷えたパイプ椅子、一人眺める、楽しかったなあ。
はい。楽しかったです。
お客さんのためにやるのが演劇と偉い人に教わってきたのでこの感想はダメだと思うのですが、
楽しかったです。
演劇公演で出演・演出のどちらかをやるといつも同じ感情がありました。
なきがお、なきがお以外に関わらず。
「一人になりてえなあ」
どんなにみんなが笑い合っていても、どんなにみんながつかれていても、それ以上に一人でいたいことが多かったです。
多分、そこには「また次がある」という考えがあったのだと思います。
「また次がある、もっと良いものを、もっと違うものを」
という考えがあって、一人でそれを考えたいという気持ちが大きかったんだと思います。
終わったと思う彼ら彼女らを見て、淋しさを覚えながら、一人でいました。
今回の公演で何人かの人に言われました。
「宮下くんの卒公だね」と。
多分、皮肉もあったんだと思います。こんな時期に四年生が出しゃばってんじゃねえと。
しかし、多分、そうなんです。僕にとっての卒公でした。
卒業公演でした。まだ卒業しないのに。あと半年くらい卒業は待ってるのに。
幸いにも、ご来場いただいた人たちからマイナスな意見はありませんでした。(直接言われてないだけかもしれません)
ですが、それ以上に、劇団なきがおに関わってきた四年間を思いながら作ったものが、無事終えられただけで、非常に有意義な時間となりました。
今回の公演では、僕以外の関係者は皆後輩です。
後輩が作るこれからの劇団なきがおを僕は見守ることしかできません。
楽しくて、楽しくて、楽しかったからでしょうか。
僕にとっての卒公のような思いがあったからでしょうか。
後輩のこれからを見守ることしかできないからでしょうか。
一人になりたいと全く思わなかったのです。
いつも抱えてる淋しさがまったくなかったのです。
そういう意味でも、この公演をやれてよかったと思います。
楽しかった。サークル活動の本分。やりたいことをやる。
その上で楽しかった。
楽しかったと言い過ぎですね、楽しかった。
今回関わってくれた人たちは、もう次を見据えています。
彼ら彼女らの次は、小金井祭。お祭り。
これこそ本当に楽しむしかないと思います。
みんなが楽しめるように。
全員のやる気と意識という二つの木に水が差されないように。
老害はここで筆を置きたいと思います。
ここまで読んでくださった方々。
暇ですね。
その時間を他の有意義な時間に使えるようにもついでに祈っておきます。
重ね重ねになりますが、ご来場くださった皆様、応援していただいた方々。
誠にありがとうございました。
第23回公演「水の隣に木は二つ」演出
宮下直樹