おはこんばんちは、第24回公演「おにぎり」に出演します尾田です。今回ご覧に入れますお芝居が高校演劇ということで、僕の高校時代の思い出をとわずがたりしてみます。
さて、僕の青春、それは吹奏楽に捧げられました。しかし、中学から6年間続けてきた吹奏楽生活、それは苦難の連続でありました。上手くなれない自分への苛立ちとそれとは逆に上達する周囲への焦燥。360日部活に行き、休んだり遊んだりする暇さえないその日々、当時は何度辞めてやろうと思ったことか。高3の頃に、「辞めろと言われればすぐ辞められる、その覚悟を据えて毎日部活に行っている」と仲間に告げたことがありました。今ではその仲間と会えばすぐに話題に上がる笑い話となっていますが、考えればそんな僕を受け止める懐の深さを彼彼女たちが持っていたことに、素直にありがたさを感じます。そして、あの日々は本当に楽しかった、心からそう思えます。僕の青春にひとつ名を冠するならばそれは「焦燥・感謝」と表されるに違いありません。
いえ、青春には焦燥はつきものなのでしょう。それがなければ味気ないただの思い出が、焦燥という人生の演出によって、一層鮮明で、それでいてセピア色をたたえた「青春」という名のフィルムへと変容するのです。僕はそう確信しています。
本公演「おにぎり」も登場人物は高校生であり、それぞれに悩みそしてそれと戦っているのでしょう。彼らは青春に輝きを期待するあまり、その実、過ごす日々は荒波に満ちていることに失望さえするでしょう。しかし、僕は彼らに胸を張って言いたい、君たちの刻むその一瞬一瞬はまぎれもない青春なのだと。
青春はどうやら星霜を経て与えられる過去の称号で、すなわち今という月日を現在進行形に消費する当人、を眺めるだれかによってそれは与えられるようです。どうか皆様、本公演「おにぎり」に流れる彼らの時間にも、名前を付けにいらっしゃってくださいまし。
皆様のお越しを心よりお待ちしております!
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