元親友に彼女ができました。
彼は大学に入ってから私の心の支えでした。辛く苦しい履修を共に乗り越え、一緒に楽単を探してさまよい歩き、難しい課題が出たときにはアドバイスし合い、バイトでムカつくことがあったときには深夜に電話で愚痴大会を開催したりもしました。
その親友に彼女ができました。
そのことを知ったのは11月の上旬でした。秋にしては少し暑い日でした。何気なく電話をすることになり、お互いに作業をしながら電話をしていました。何を話していたかは覚えていませんが、突然彼が「俺、彼女できたわ」と言い出したのです。前置きもなく発せられた言葉に唖然としてしまいました。反応すらできませんでした。私に自慢するでもなく当然のことのように言ったのです。
「地獄に落ちろ」そう思いました。
誤解しないでいただきたいのは、私は決して他人の幸せを妬むタイプではありません。むしろ暇さえあれば全ての人類の幸せを神に願うタイプです。しかし、彼に至ってはそうではありませんでした。なぜか。その理由は彼が彼女を作った時期にありました。
私は10月の末にも彼と電話をしていました。そのときに彼は「クリスマスまでには絶対に彼女を作る」と豪語していました。「いい人居たら紹介してよ」とも言っていました。「むりだろ」と笑う私に対して「やっぱそうかな…」と落ち込んでいた彼の様子を今でも覚えています。
嘘でした。
そのときにはすでに彼には彼女がいました。告白された翌日だったそうです。つまり表面的に落ち込んでいた彼は、心の中では私を馬鹿にしていたのです。私はとんだピエロでした。あんなやつもう親友でもなんでもありません。私が彼に課題を見せてあげることは二度とないでしょう。
もうすぐクリスマスですね。彼は彼女と一人暮らしの家でゲームをして過ごすそうです。「イルミネーションはイブに行くからさ」と抜かしておりました。私は親友の不幸を願うことは決してしませんが、彼はもう親友ではないので口内炎が五個くらいできればいいのになと思います。
公演に関係ないことを長々と失礼しました。ここまで読んでくれたあなたはとてもいい人か、暇人か、彼自身のいずれかでしょう。
そんなあなたはきっと今回の公演も見ていただけると信じています。
それでは皆さん、素敵なクリスマスをお過ごしください。
大輔役、だいらでした。