『あの日の嘘』セナ役:伊月紡
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夏休みのことでした。
正確に言えば8月21日まで課題と補講と教育実習の単元指導計画に追われ、それが終われば今度は9月頭に必修でもないのになぜかその場のノリで履修した生活科研究の課題に追われ、その集中講義も終わればいよいよ教育実習の支度の追われ、教育実習を迎え、教育実習が終わったらすぐに秋学期が始まるのですからそれを考えると僕の夏休みなんてものはないのかもしれません。バイト先の塾の夏期講習に毎日行っているからそういう意味では夏休みなのかもしれないですね。
どうも。C類発達障害教育専攻3年の伊月紡です。
最近はパピコ(血液)とあずきバー(点滴)とゼリーエースのイチゴ味(薬)で生命を維持しています。
春学期。
色々ありましたね。
劇団なきがおとしても、新歓公演という冠をかぶせた公演が中止になり〈幻の31回公演〉という概念が生まれ、一応新歓公演の幹部でもあったので色々な企画のお手伝いをしていました。
オンラインの状況ってよく欠点ばかりに目を向けられて「オンライン授業は学びの質が下がる」「早く対面授業をすべき」「学生は対面での授業を望んでいる」と言われがちですが、単独行動好き・夜型・実家生的にはオンライン授業はめちゃくちゃ快適でした。夜にまとめて課題を消化できるし朝はゆっくり起きられる。資料の保存も苦手ですがオンラインだと毎度毎度PCに保存できるから基本資料は消えない。最高じゃないかと。
欠点としてCAP制限を外すことが出来なかったために集中講義含め30単位しか履修できなかったことは嫌でしたが秋学期はCAP突破しても良いらしいので学務課に感謝です。元気に34単位履修を目指そうかと思っています。
僕は心配性です。状況への適応もあまり得意ではありません。思考の傾向も基本はネガティブです。
でも思うんです。
【否定の言葉を集めることに飽きた】と。
この状況になって否定の言葉が耳にお散歩しに来ることが多くなりました。
「友達と会えない」「飲み会に行けない」「旅行に行けない」など。
分かる。僕もずっとそうだった。
「舞台での公演ができない」「サークルの活動ができない」「ボランティア先の子どもに会えない」「朝起きられない」「課題が終わらない」「バイトの休みがない」
ラスト数個はこの状況に全く関係はないけど、まあそうやって否定して否定語を音や電波に乗せて「できない」を数えて…
そうして早半年。
飽きた!!!飽きたわ!!!
「できない」「ない」を集めたところで状況は変わらない。
確かにそれで集めた「ない」を元にアクションを起こすことも可能だけど、多くは「ない」を数えるだけ。「ない」を数えても所詮、自分を悲劇のヒロインに見立てて自己満足するだけなんじゃないかって。
批判的思考力を養われたひねくれ野郎のスキルが活きた瞬間です。
どうせならこの常ではない状況を楽しもうじゃないかと。
いや、そもそもこれが今後の常になる可能性も否定できないわけで。
地球が動いている限り「常」なんて変動するものなんですから、なんかもういいやって。
「できる」を数えよう。
みんなが「できない」を数えるなら「できない」の集計は他者に託して、僕は代わりに「できる」を数えよう。
「オンライン飲みのおかげで終電を気にせず飲み会に参加できる」
「授業を自宅で、自分の好きなタイミングで受けることができる」
「ちょっとの体調不良でバイトを休める」
「もともと潔癖の気があったから、今までよりもむしろ心穏やかに外出できる」
「こんな状況でも公演ができる」
そうです、公演です。
公演の形式や時間に関しては他の多くの役者勢が宣伝していますしネット部的にはここだけじゃなくてHPの他のページや
公式Twitterを見てほしいっていう欲に塗れて生きているので省略します。
僕は「あの日の嘘」のセナ役で出演させていただきます。
なきがお団員が今の「できる」を数えて行っています。
1か月間もみられる状態にあるのでぜひ何度でも。
最後に。
不満を言うのだって、臓器が動いているから言えるんです。
生きているから言えるのです。
生きているから言葉を伝えられるのです。
それでは。
点滴をつれて道徳の指導案を書きに行ってまいります。