『あの日の罪』ミナト役:近藤実里
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こんにちは、お久しぶりです、または初めましての方もいるでしょうか。どうも、ブログがいつも無駄に長いことに定評のある近藤です。2年になってから初めての公演がついに打てます。やったね。
今回の公演、たくさん新しいことに挑戦しました。演劇に限らず、このご時世ですからきっと皆さん何かしらの新しいことに慣れなきゃいけなかったのではないでしょうか。
遠隔授業とか、Zoomとか、テレワークとか、新しい生活様式とか、その他色々ね。ちなみに私はまだマスクの窮屈さに慣れません。苦しいです。
劇団なきがおも、今年の3月には卒業公演を無観客での映像配信にして行いました。あの時だって、いつもと勝手の違うことだらけでした。慣れないなあ、難しいなあと考えながらも、無観客だからこその遊びをたくさん加えて、あの時の全力をお届けしたつもりです。
そして3月の私は、遅くとも夏頃には公演打てるんじゃないかなあとか、新歓楽しみだなあとか、甘々な期待を抱きまくっていて、そして見事にそれは打ち砕かれた訳ですが。5ヶ月経って、私は未だに自宅に籠ってばかりの日々を過ごしている訳ですが。
まさかあの頃にはこうやって朗読劇を、それも私たちの顔や姿は出ないそれをやるとは思っていなかったのです。
さて。なきがおの今回お届けする「嘘吐きの恋」は完全な映像作品です。そして1度も集まることなく、姿かたちも映すことなく、声だけをそこに乗せています。
果たしてこれは、演劇と呼べるのでしょうか。
Zoom演劇、オンライン演劇、エトセトラ。色んな形がここしばらくの間に現れ、演劇関係者たちはこぞってその新しさを模索しようとしました。集まれなくても、家に居ても何かしようと。一方、「Zoom演劇は演劇ではない」なんて意見もあります。
逆に「何かの役を作り上げることは全て広義の意味での演劇だ」とも聞きました。
普段の私たちは舞台を何も無い場所に作り、その上で照明を浴びて衣装を纏い、ステージごとに少しずつ違う表情を見せる「演劇」をしています。劇団ですから。そして演劇はナマモノだ、ともよく言われます。
でも今回の公演は、舞台も無ければ照明もありません。姿が映らないので衣装もメイクも施しません。声だけのお芝居をします。録音して編集した動画はナマモノではなく、画面のなかでいつ何時観ても同じものを綺麗に再生します。
これも演劇だ、と思う方もいればそうじゃないという方もいることでしょう。
少なくとも普段の私たちがやっていることとはまったく違うことで、なんなら今回やるようなことを普段から専門としてやっているサークルも学芸にはあります。朗読劇と銘打ちながら、この公演は演劇と呼べるのでしょうか。「劇団」がやることなのでしょうか。
私には、まだその答えはよく分かりません。私は舞台での演劇に限らず、何かを読んで声を出して物語や世界を作り上げていくことならなんだって好きですし、楽しいなと思います。名前に関係なく、映画作品も声劇も色々と手を出してきました。でも演劇とはなんたるか、をTwitterで語っているなんか専門家っぽい人たちの言うことも分からなくも無いなあとも思います。
だからよく分からないけれど、私たちが今できる最適解はこれだ、と思ってお届けするのが今回の公演です。
普段から劇団なきがおの公演を観て下さっている方や、いつもなら遠かったり忙しくて観に来れない方、まだ1度も会えていない1年生の皆さん、そして純粋にこの物語を好きだと思ってくれる誰かに届けばいいなと、そんな願いを込めて作ってきました。
普段と違う形でも、不十分でも、とにかく今、何かしたいというのが私の想いでした。
試行錯誤しながらも、前回の公演とはまた違う形で新しいことをしています。
稽古回数も普段より少なくていいから、グループで全く違うトリプルキャストとかね。映像にする中で、どんな画を足したら素敵になるかとかね。宣伝もどんな風にしようかとかね。
そして新しいことをしつつ、なきがおの持つ良さもたくさん詰まった公演なんじゃないかなあと思います。
脚本の良さもさる事ながら、すごいですよ、総勢15人のキャストですよ。超豪華じゃないですか?良い役者たちがたくさんいるんです、それぞれ同じ言葉も全然違って楽しめてしまうんです。普段あまり役者をやらない人や、新入生も加わって、めちゃめちゃお得な(?)公演です。大特価サービスです。
こういう遊びや工夫はオンラインならではです。もちろんいつもの、アトTでお客様を迎えて行う公演は恋しいのですが、この場はこの場を全力で楽しんでやってみました。
なきがおの新しい魅力がたくさん見られる公演かと思います。朗読劇『嘘吐きの恋』、是非ともご覧下さい。
以下、役者ブログなのに言いたいこと先に書いたら役者っぽいことを何一つ書けなかった私の適当な語りです。ネタバレはない…と思いますが…なんでもこいな人だけ読んでください。
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